PauseAI連盟憲章
第1.0版 — 2026年3月26日
この文書は、国際組織としてのPauseAIのあり方、その構造、そしてその一員になることの意味を説明します。「PauseAIは国際的にどう運営されているのか」と尋ねられたときに案内する文書です。
1. PauseAIとは
PauseAI Globalは、拘束力のある国際的な安全基準が整うまで、最も強力なAIシステムの開発を一時停止するよう求める、国際的な市民運動です。
私たちは技術に反対しているのではありません。AI開発の恒久的な停止を求めてもいません。法律が追いつき、十分な安全措置を整える時間を確保するため、そして人類史上最も重大な影響を持つ技術についての決定が、一握りの開発者によって密室で行われることのないよう、一時停止を求めています。
PauseAI Globalは連盟として運営されています。共通の使命、価値観、メッセージを共有しながら、地域ごとに大きな自律性を持って活動する、地域グループと支部の世界的なネットワークです。グローバル組織は、それぞれの自主性を尊重しつつ、グループと支部を支援し、調整するために存在します。
2. 支部の種類
PauseAIのネットワークは、3つの段階に分かれています。いずれも正式に連盟の一員です。違いは、成熟度、説明責任、受ける支援と担う責任の程度にあります。
地域グループ
地域グループとは、PauseAIの旗のもとに活動を組織したいと考える、ある都市や国の人々の非公式な集まりです。活動の出発点にあたり、比較的柔軟な形で運営できます。すでにある国別支部の内部で、都市、町、地域を代表するグループとして存在することもできます。
新しい地域グループがPauseAIの資源を利用し、PauseAIのウェブサイトに掲載されるには、該当する国別支部のリーダーまたは組織化ディレクターの承認を得る必要があります。
地域グループには、次のことが求められます。
- PauseAIの中核的価値観、中核的使命声明、行動規範に沿って活動する。
- グローバルチームまたは該当する支部との連絡を担う、氏名の明らかな窓口担当者を少なくとも1人置く。
- Globalまたは該当する支部の承認なしに、PauseAIを代表して公式声明を出したり、正式な提携関係を結んだりしない。
- 該当する支部またはGlobalから提供された資料だけを使用する。新しい資料は、配布前に承認を得なければならない。
支部
支部とは、正式に認定され、説明責任を担う連盟の組織単位です。支部は、継続的なキャンペーンを実施し、中核チームを維持し、PauseAIの基準を一貫して守る能力を実証しています。その見返りとして、グローバル組織からより多くの支援を受け、運動の評判に対してより大きな責任を担います。
支部は、地域グループの義務をすべて満たしたうえで、さらに次のことを求められます。
- メンバーの氏名と役割が明確な中核チームを維持する。
- 共通の最低基準(Sandbox Floor)の文書をすべて採用する(第4節参照)。
- 四半期ごとのキャンペーンで引き受けた活動を実行し、四半期末にKPI報告書を提出する。
- 支部間の調整会議や振り返りに参加する。
- 中核チームだけでなく、すべてのメンバーから行動規範への署名を得て運用する。
独立法人
独立法人は、各支部の長期的な目標です。PauseAI連盟の一員でありながら、自ら財務、資金調達、必要に応じて採用を管理できる、現地で法人化された組織を指します。
中核チームは通常、支部になってからおよそ12か月以内に、次の準備が整うことを目指すべきです。
- 現地での資金調達戦略を策定し、実行する(アクセス不可の資料参照)。
- 資金を保有し、責任をもって現地の財務を管理する(銀行口座、基本的な記帳、承認者の明確化)。
- 支部として初めての有償契約による人材採用を行う(継続可能な資金が確保できている場合に限る)。
PauseAIの名称、ブランド、資料を使う正式な法人等(非営利団体、慈善団体、協会、会社)を設立する前には、Globalの承認が必要です。
承認後もPauseAIのブランドを使い続けるには、支部はアクセス不可の文書に署名しなければなりません。
独立に向かう支部は、次の点についても計画を立てる必要があります。
- ガバナンスと説明責任: 簡潔な意思決定構造、役割の明確化、文書化された引き継ぎ手順。
- 法令遵守: 現地の法務・税務上の義務、寄付受領証の規則、自国で求められる登録や報告。
- リスク管理: セーフガーディングの実践、利益相反への注意、提携に伴う評判上のリスクの確認。
- 継続する連盟上の義務: 共通の最低基準の継続的な採用、報告・KPI、公式声明や提携についてGlobalと調整すること。
3. 地域グループから支部へ
支部への移行は自動的には行われません。実証された能力と継続的な取り組みが認められることによって成立します。
地域グループは、次の基準を満たしたときに、支部への移行を申請できます。
- 地域グループ立ち上げガイドに示された役割が明確に定められた、少なくとも3人の中核チームがある。
- 共通の最低基準の文書をすべて採用したことを示せる。
- Globalのキャンペーンに参加する能力がある。
- 組織化ディレクターと定期的に状況を確認する機会を設けている。
申請はGlobalの執行チームが審査します。正式な認定の前に、支部リーダーとの通話を求める場合があります。
認定は永続的なものではありません。活動が止まった支部や義務を果たさない支部は、地域グループに戻ることがあります。適用条件については、後述の「支部の活動休止」を参照してください。
4. 共通の最低基準(Sandbox Floor)
共通の最低基準とは、すべての支部が正式に採用しなければならない一連の文書です。これは交渉の余地のない最低限の基準であり、地域の事情によらず、世界のどこにあるPauseAIの組織にも求められるものです。
地域グループにも採用を強く勧めます。支部には採用が義務付けられます。
共通の最低基準は、次の5つの文書で構成されます。
中核的価値観 — 非暴力、非党派性、知識や認識についての誠実さなど、PauseAIが何を大切にするのかを定める、妥協できない原則です。支部は国ごとの価値観を追加できますが、中核的な価値観に矛盾したり、それを弱めたりすることはできません。グローバルチームが継続的に更新する文書です。https://pauseai.info/values
中核的使命声明 — PauseAIが何のために存在するのかを短く、安定した形で示し、組織のあり方を定める声明です。すべての支部で同一であり、グローバルな決定なしには変更できません。「PauseAIとは何か」への答えです。
PauseAIの使命は、高度な汎用AIシステムの開発の一時停止を求めることです。具体的には、リスクがよりよく理解され、十分な安全措置とガバナンスの枠組みが整うまで、現在の最先端を上回る汎用AIモデルの訓練の停止を求めます。
基本方針 — AIに関するPauseAIの公的な立場の骨格を定める、約7〜8項目の主張です。技術的な詳細を省き、どの広報担当者でも説明できる形にしています。一度採用すれば安定して維持するものです。運動として共有する考えの最低基準であり、地域の支部が議論できる範囲の上限ではありません。基本方針
中核メッセージとトーキングポイント — 広報担当者のための実践手引きです。PauseAIのすべての代表者が説明できるべき重要なメッセージ(問題、解決策、行動への呼びかけ)、どのような相手にも平易に説明するための指針、各主張の信頼性を支える根拠、伝え方の原則を含みます。支部やボランティアは、そのうえに独自の言葉を重ねても構いませんが、内容に矛盾してはいけません。地域の関心や政治情勢に合わせることを勧めます。アクセス不可の資料
行動規範 — 支部リーダーだけでなく、PauseAIネットワークの全メンバーに適用される行動上の規範です。暴力や違法行為を一切容認しないこと、ハラスメントとセーフガーディングに関する方針を含みます。全メンバーが署名します。世界のどこかで1人が逸脱した行動を取ることで運動の評判が傷つくのを防ぐ、主要な保護策です。こちらのPauseAI Global版を複製して使用してください:アクセス不可の資料
5. Globalが提供するもの
PauseAIのグローバル組織は、ネットワークを管理するためではなく、支援するために存在します。具体的には、次のものを提供します。
- ブランド、視覚的な統一デザイン、メッセージの指針。
- 共通の最低基準の文書と、その採用手順。
- キャンペーンの枠組み、ツール、資料。Activoice、署名活動のテンプレート、ソーシャルメディアのテンプレート、ボランティア管理表のテンプレートなどを含みますが、これらに限りません。
- Discordや支部間の調整会議を通じた、国際ネットワークへの参加。
- 必要に応じた、国内外の協力先の紹介。
- PauseAIの名称を使う公式声明、メディア出演、正式な提携の確認と承認。
- PauseAI Globalのウェブサイトとソーシャルメディア上での、地域グループと支部の認定・紹介。
6. 支部の要件
認定と支援を受ける見返りとして、支部は以下を約束します。
- 共通の最低基準の文書をすべて採用し、守る。
- 全メンバーが行動規範に署名するようにする。
- 四半期ごとのキャンペーンで引き受けた活動を実行し、期限どおりに報告する。
- Google Hangoutsを使い、組織化ディレクターと毎月状況を確認する。
- 公式声明、メディアからの問い合わせ、国際的なメディア組織との正式な提携について、コミュニケーション・ディレクターに知らせる。
- 支部間の振り返りや調整会議に参加する。
- 活動能力に関する問題や障害は、実行に影響が出てからではなく、早い段階で知らせる。
- リーダーの交代を文書化し、確実に引き継ぐ。
7. 支部の活動休止
次の場合、支部は活動休止のおそれがあるとみなされます。
- 連絡のないまま、8週間にわたっていかなるキャンペーン活動にも参加していない。
- 連絡のないまま、四半期末の報告を提出していない。
- 連絡のないまま、毎月の状況確認を2回を超えて欠席している。
- 支部リーダーが不在となり、後任が指名されていない、または組織化ディレクターに連絡していない。
組織化ディレクターは、問題を解決するために連絡を試みます。基本となる対応は、追加の支援、必要に応じた活動上の約束の縮小、近隣支部からの協力の確保、活動能力が回復するまでの一時的な地域グループへの再分類です。
2か月以内に支部リーダーと連絡が取れない場合、または支部自身が活動を継続できないと確認した場合、グローバルチームはその支部を休止状態に移します。既存および新規の協力先は、可能であれば近くの活動中の支部に案内し、その国の新しい参加者は組織化ディレクターに引き継ぎます。
休止中の支部は、第3節の基準を満たせば、いつでも復帰できます。以前に支部として活動した実績は、肯定的に評価されます。支部が活動を続けられることは、PauseAI Globalにとっても利益になります。
8. ガバナンスと意思決定
PauseAIは、上意下達の組織ではなく、連盟型の運動として活動します。グローバルチームは、共通の最低基準を定め、国際キャンペーンを調整し、ブランドを守ります。それ以外については、支部が自律性を持ちます。
グローバルなブランド、共通の最低基準の文書、運動の公的な立場に影響する決定は、支部リーダーと協議のうえでグローバルチームが行います。変更は支部に通知し、採用するための合理的な期間を設けます。
支部とグローバルチームの対立は、まず直接の話し合いによって解決します。解決に至らない場合は、グローバルチームの判断が最終決定となります。継続的に義務を果たさない支部や、運動を損なう行動を取る支部は、認定を取り消されることがあります。
9. 見直し
この憲章は、支部リーダーと協議のうえ、グローバルチームが毎年見直します。変更案は、採用の少なくとも4週間前に支部へ共有します。改訂のたびに、表紙の版番号と日付を更新します。
2026年4月15日、PauseAI Globalチームにより採択。
この憲章に関する質問は、Discordの#national-leadersで尋ねるか、組織化ディレクターに問い合わせてください。