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文字列が単語を成していれば一方のボタンを、単語を成していなければもう一方のボタンを押すよう、被験者に求めたとしよう(たとえば「banack」と「banner」)。そして被験者に「water」という文字列を見せる。すると後で、「drink」という文字列を単語として、より速く識別するようになる。これは「認知的プライミング」と呼ばれる。この特定の形は「意味プライミング」または「概念プライミング」である。
プライミングの興味深い点は、それがきわめて低い水準で起きることにある。プライミングは、文字列が単語を成していると識別することを速めるのである。これは、単語の意味について熟考する前に行われるはずの処理である。
プライミングは、拡散活性化が大規模に並列して進むことも明らかにする。「water」を見ることが「drink」という単語を活性化するなら、おそらく「river」「cup」「splash」なども活性化する。そしてこの活性化は、概念間の意味的なつながりから、文字列を認識するところまで遡って広がる。
プライミングは無意識であり、止められない。人間の神経構造が生む現象である。自分がプライミングされるのを止めようとするのは、自分の神経回路で拡散する活性化を止めようとするようなものだ。次の文字列について、意味ではなく色を声に出して言ってみてほしい。
緑
ムスワイラーとストラックの実験では、被験者はアンカリング質問を受けた。「ドイツの年平均気温は5 °C/20 °Cより高いか、低いか?」というものである。1 その後の単語識別課題では、5 °Cというアンカーを提示された被験者は「cold」や「snow」のような単語を速く識別し、高いアンカーを提示された被験者は「hot」や「sun」を速く識別した。これは、アンカリングに調整を伴わない仕組みがあること、すなわち整合する思考や記憶をプライミングする仕組みがあることを示している。
より一般的には、まったく情報価値のないもの、偽だと分かっているもの、あるいは完全に無関係な「情報」でさえ、推定や意思決定へ影響しうる。ヒューリスティクスとバイアスの研究分野では、この一般的な現象を汚染と呼ぶ。2
ヒューリスティクスとバイアスの初期研究は、アンカリング効果を発見した。その一例が、国連加盟国のうちアフリカにある国の割合について、最初に10(65)より多いか少ないかを尋ねられたかによって、被験者がより低い(高い)推定値を答える現象である。この効果は当初、被験者がアンカーを出発点にして調整し、もっともらしい値へ達するとすぐに止め、信頼区間の一端で止まるため調整不足になる、と説明された。3
トヴェルスキーとカーネマンの初期仮説は、特に被験者が最初の推定値を自分で作る場合など、いくつかの状況では今なお正しい説明であるようだ。4 しかし現代の研究によれば、アンカリングの大半は、値をずらして調整するためではなく、実際には汚染によって起きるらしい。(このことを思い出させてくれた名無し氏に感謝する。私はエプリーとギロヴィッチの論文を何年も前にHeuristics and Biasesの一章として読んでいたが、忘れていた。)
近所の食料品店にも、「お一人様12個まで」や「5個で10ドル」と書かれた鬱陶しい表示があるだろう。この表示には、客により多く買わせる効果があるのだろうか。あなたはおそらく、自分は影響されていないと思う。しかし誰かは影響されているに違いない。こうした表示に効果があることは実証されており、だからこそ店は掲示し続けるのである。5
だが汚染の最も恐ろしい面は、それが確証バイアスの千の顔のうちまた別の一つとなっていることである。一度ある考えが頭に入ると、それと整合する情報がプライミングされ、それによってその考えの存続が保証される。政治的議論に勝つための選択圧など持ち出すまでもない。確証バイアスは私たちのハードウェアへ直接組み込まれており、連想ネットワークが整合する思考や記憶をプライミングする。神経でできた生き物として存在することの、不運な副作用である。
ほんの一瞬目に入った一枚の画像だけでも、関連する単語を認識しやすくするには十分である。確証バイアスを動かし始めるのに、それ以上が必要だと思ってはならない。必要なのは、たった一度の短い閃光だけである。すると、結論はすでに決まってしまう。なぜなら、私たちは自分で思うほど頻繁には考えを変えないからである……。
Thomas Mussweiler and Fritz Strack, “Comparing Is Believing: A Selective Accessibility Model of Judgmental Anchoring,” European Review of Social Psychology 10 (1 1999): 135–167, doi:10.1080/14792779943000044. ↩
Gretchen B. Chapman and Eric J. Johnson, “Incorporating the Irrelevant: Anchors in Judgments of Belief and Value,” in Gilovich, Griffin, and Kahneman, Heuristics and Biases, 120–138. ↩
Tversky and Kahneman, “Judgment Under Uncertainty.” ↩
Nicholas Epley and Thomas Gilovich, “Putting Adjustment Back in the Anchoring and Adjustment Heuristic: Differential Processing of Self-Generated and Experimentor-Provided Anchors,” Psychological Science 12 (5 2001): 391–396, doi:10.1111/1467-9280.00372. ↩
Brian Wansink, Robert J. Kent, and Stephen J. Hoch, “An Anchoring and Adjustment Model of Purchase Quantity Decisions,” Journal of Marketing Research 35, no. 1 (1998): 71–81, http://www.jstor.org/stable/3151931. ↩