予測
このページでは、我々のタイムラインとテイクオフの予測を示す。我々はこれについて非常に不確かであり、その不確実性を、各マイルストーンが達成されうる時期についての確率分布として表している。本モデルのモンテカルロ・シミュレーションの生の結果と、我々の主観的な総合判断(ATC)による確率分布の両方を示す。予測が変わるたびに、このページを最新の状態に保つ予定である。
「総合判断」とはどういう意味か
我々はモデルの出力を、将来のAIの進歩がどうなりうるかについての重要な証拠源と見なしているが、それを盲信しているわけではない。我々の総合判断による見解は、モデルの結果を見たうえで、直感や、モデルに含まれていない要因を踏まえて調整を加えたものである。
AI Futuresモデルの公開以降、予測はどう変わったか
下の予測のドロップダウンでは、公開以降の見解の変化の履歴を確認できる。変更点の概要は以下のとおり。
- 2025年12月31日: TED-AIとASIの達成時点の判定に関する、まれにしか起きないバグを修正。 AC時点の研究センスが最良の人間を上回る場合(つまり>3.09 SD)に、TED-AIとASIの閾値に生じていた問題を修正した。これが影響するのはモンテカルロ・シミュレーションのごく一部で、イーライの13%、ダニエルの9%である。この修正でテイクオフ速度はごくわずかに上がる。たとえば、P(AC→ASI < 1年)はイーライでは26.3%から27.1%に、ダニエルでは36.7%から37.1%に上がる。P(AC→ASI < 10年)はイーライでは58.3%から59.3%に、ダニエルでは71.5%から71.8%に上がる。
- 2026年1月26日: モデルのコードの軽微なバグを修正し、より多くの量について総合判断による予測を追加し、イーライのACタイムラインとACからASIまでのテイクオフ速度を小幅に更新。 「コーディング労働の並列化ペナルティ(λ)」と「コーディング自動化効率の改善係数(η)」のパラメータが特定の値のときに、数値アンダーフローによってコーディング労働が正しく計算されない問題を修正した。これはモンテカルロのロールアウトの約3%に影響していたが、修正による結果の分布への影響は無視できる程度だった。ダニエルとイーライは、より多くの量について総合判断による予測も追加した。2人ともSC、TED-AI、ASIの予測を追加し、ダニエルはさらにSARの予測を、イーライはACからTED-AIまでの期間の予測を追加した。またイーライは、ACタイムラインとACからASIへのテイクオフについての総合判断による予測も更新した。ACの到来の中央値を2032年7月から2032年3月に早め、2026年にACが到来する確率を4%から6%に引き上げた。これらの変更は、我々はACに近づいているというAnthropic流の世界観を以前より少し重く見るようになったためで、その一因はClaude Codeの目覚ましさにある。イーライはまた、ACからASIへの速いテイクオフの確率を引き上げ、0.5年未満でのテイクオフに以前の18%に対して25%を割り当てた。一方で上側の不確実性も広げ、10年未満でテイクオフが起きる確率を85%から83%に下げた。これらの変更は、モデル外の要因を考えると、分布はモデルのものより広がっているべきかもしれないという考えを、より反映させたためである。
- 2026年4月2日: Opus 4.6とタイムホライズンv1.1を取り込み、現在の倍加時間をより速く更新、ほか若干の変更。「現在」の日付と現在のタイムホライズンを、Opus 4.6のリリース日と、METRのタスクスイートのバージョン1.1によるそのタイムホライズンに合わせて更新した。時間の経過を踏まえ、現時点の並列コーディング労働倍率の中央値推定を1.8から2に更新した。現在の倍加時間の推定を、ダニエルは5.5か月から4か月に、イーライは5.5か月から4.5か月に引き下げた。これらの調整は、v1.1のデータがより速いトレンドを示しているように見えること、Opus 4.6が最近の速いトレンドを引き継いでいること、タイムホライズンのデータをさらに分析したことによる。最近のコーディングエージェントが実世界で目覚ましい働きを見せていることから、ダニエルのACのタイムホライズン要件の中央値推定を3年から1年に引き下げた。ダニエルのSARとTED-AIの間の差の推定を、中央値で「中央値からトップ人間まで」のジャンプ1回分に引き下げ、イーライの1.5回分から離れた値とした。ダニエルの研究センスの最大値の中央値を、最良の人間から「中央値からトップ人間まで」のジャンプ16回分上に引き上げた。以前は意図せず、イーライの推定と同じ8に設定されていた。
- 2026年8月16日: ACのアンカーとなる代替手法としてコーディング加速倍率と収益を追加し、訓練の実行を明示的にシミュレートし、ブレンダンの予測を追加し、パラメータを更新。 ACに必要な実効計算量は、METRのタイムホライズンに加えて、コーディング加速倍率(AIがAI企業のソフトウェアエンジニアの作業をどれだけ速めているか)またはAI企業の収益の外挿によってもアンカーできるようになった。各予測者が3つの手法に重みを割り当て、モデルがそれらを集約して全体の予測を出す。個々の手法は2つ目のグラフのドロップダウンから確認できる。心強いことに、3つの手法はどれもかなり似たACの到来時期を予測している。またモデルは、最先端のAIモデルの訓練の実行も明示的にシミュレートするようになった。ソフトウェアの改善を反映するには訓練が必要だという事実を考慮するためで、これにより非常に速いテイクオフの確率は下がる。AI 2027の予測も採点し直したところ、現実はAI 2027が描いたおよそ70〜90%の速さで進んでいるようだ。ブレンダンが初めての予測を追加し、ACの中央値は2028年7月だった。これらの変更により、ダニエルのモデルによるACの中央値は2027年12月(2028年2月から前倒し)、イーライのものは2029年3月(2029年7月から前倒し)となった。詳しくはブログ記事を参照のこと。
マイルストーンの到来時期
下のグラフは、さまざまなAIマイルストーンの達成にどれだけかかると予測しているかを示す(サイドバーで表示を切り替えられる)。x軸はマイルストーンが達成される年、y軸はその時点での確率密度で、その密度が1年間続いた場合にマイルストーンがその1年以内に起きる確率(%)として表している。
グラフの設定
ATCは破線で表示
コーディングの自動化から以降のマイルストーンまでの期間
下のグラフは、AC(自動化コーダー)の達成後、さまざまなマイルストーンに到達するまでにどれだけかかると予測しているかを示す。x軸はACの達成からの経過年数を表し、曲線は後続の各マイルストーンがいつまでに到達されうるかの累積確率を示す。
グラフの設定
ATCは破線で表示
結果の分析では、上の予測にとってどのパラメータが最も重要かを分析している。また、本モデルにおける短いタイムラインと速いテイクオフの相関も検討している。
本ページは 原文 (English) の非公式日本語訳です(翻訳: AGI Hub)。原文: AI Futures Project「AI Futures Model」(原文取得日: 2026-09-23)。本翻訳は著者の許可を得て公開しています。