ヴィンジの原理によれば、 完全なプレイが不可能なほど複雑な領域 では、知能の低いエージェントは知能の高いエージェントが行う 正確な 手を予測できない。
たとえば、チェス盤上で Deep Blue が正確にどこへ指すか分かるなら、Deep Blueが指すと予測した手をそのまま指すことにより、少なくともDeep Blueと同程度にはチェスを指せる。したがって、超人的にチェスを指すアルゴリズムを書きたいなら、(機械の助けなしに)そのアルゴリズムの正確な指し手を予測する自分自身の能力を必然的に手放すことになる。
これは、チェス・アルゴリズムの力への確信が増すほど、それが 最終的には 対局に勝つという確信も増すにもかかわらず成立する。次の一手への確信が弱まる一方で、対局の最終結果への確信は強まる。これが ヴィンジ的不確実性である。
ここで、別のエージェントを構築するエージェント(あるいは自らの後継者を構築するもの、自らのコードを変更するもの)を考える。ヴィンジの原理から、後継エージェントの設計を是認するかどうかは、その後継者の正確な感覚情報、正確な内部状態、正確な運動出力を知らずに決めなければならないことが導かれる。 タイリング・エージェントの理論では、これは後継者の感覚情報、認知状態、行動出力を量化子の内側にのみ置くべきだという原理として現れる。これが ヴィンジ的反省である。
架空の登場人物は作者より賢くなれないという規則については、 ヴィンジの法則を参照されたい。